山本容子(1952~)
【略歴】
1952年 埼玉県に生まれる。
1978年 京都市立芸術大学美術学部西洋画専攻科修了
1978年 日本現代版画大賞展西武賞
1980年 京都市芸術新人賞
1992年 『Lの贈り物』(集英社)で講談社出版文化賞ブックデザイン賞
2005年 ホスピタル・アートに取り組む
2013年 平成25年度京都市文化功労者
【作家解説】
山本容子の作品は、柔らかな曲線と都会的な色彩が特徴である。山本は、埼玉県で生まれ、大阪府で育った。京都市立芸術大学に入学後、陶芸、油絵、彫刻など様々な技法に触れる中で銅版画に興味を持った。京都市立芸術大学のインタビューで山本は、「制作方法はすごく面白いし,銅も綺麗だし,その上,紙に刷り上がった線の美しさを見て感動を覚え,職人技を目の当たりにして素直に『これをやりたい!』と思いました。」と述べている。銅版画を選択し、大学在学中に制作した文字を用いた作品が賞を受賞した。その後も数々の賞を受賞し、その名を広めていった。
山本が版画家として活躍する中、彼女に影響を与える人物が現れる。美術評論家の中原佑介である。彼がファッション誌にて山本の作品を称賛したことをきっかけに、関係が深まった。彼は妻子ある身で、いわゆる不倫関係であった。山本は、自身と中原の関係のテーマは「旅」だと述べている。二人はクリエイターとして、安定した時間を過ごすというよりはあちこちを旅しようという考えだった。旅にはノートを持って行き、旅先で出会った人や見たものをスケッチし、旅の記憶を残していた。展示されている<DOLACULA>シリーズは中原と共にドラキュラ伝説のあるルーマニアを旅した後に制作したものである。
版画家として有名である彼女だが、その活躍は版画だけに留まらない。2005年からはホスピタル・アートにも取り組んでいる。ホスピタル・アートとは、病院の壁に絵を描き、患者や医療従事者たちが心穏やかに過ごせるようにするという取り組みである。アートといっても、病院の壁に自由に絵を描くのではなく、病院側と綿密にミーティングを行ってから何を書くか決定する。病院側が何を求めているのか、絵がどんな効果を生み出すのかを一緒に考えることが重要だという山本の考えが表れている。
【参考文献】
山本容子『マイ・ストーリー』新潮社、2004年
山本容子・井上真希『山本容子の美術旅行』講談社、2009年
山本容子美術館|LUCAS MUSEUM(https://www.lucasmuseum.net/menu.html)
FASHION HEADLINE「山本容子、病院におけるアートの力を問う。“善し悪し越え、その場に求められる作品描く”」(https://www.fashion-headline.com/article/552)
看護roo!「「ホスピタルアート」患者さんだけでなく医師や看護師にも効果が|ナース知っ得ニュース」(https://www.kango-roo.com/work/714/)
京都市立芸術大学(https://www.kcua.ac.jp/profile/interview/arts/art_16_yamamoto_1/)

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